姓名判断の虎の舞は、五格剖象方を基本とし、姓名の根幹である「天・人・地」三才を重視する姓名判断サイトです。

姓名判断コラム1 - 名付けの優先順位

人の運勢を決めると言っても過言ではないのが「名付け」です。姓名判断の立場では、「名は体をあらわす(名前はそのものの実体を表しているという意味)」という言葉どおり、その者の名前がその者の精神や肉体に直接的に影響を与えると考えています。そのため、名付けによって人の運勢を半ば決定してしまうのです。ただし勘違いしないでください。運勢と運命は違います。私が名付けによって決まると言ったのは運勢であって、運命が決まってしまうわけではありません。「運勢」というのは読んで字の如く運の勢いですから、その者の運勢の強弱、はたまた良し悪しが名付けによって決まってしまうのです。

姓名判断では、名付けには優先すべき順序というものがあると考えます。名付けをするにあたっては、次のような項目を重視します。つまりそれは、字画の判断・音の配置・意味付けの三項目です。この中で優先すべき順序を考えなければならないのですが、皆さんならどのような優先順序で名付けをされるでしょうか。普通なら音や意味を優先させるかもしれません。子供にかっこいい名前やかわいい名前を付けてやりたいと思うのは親の常でしょう。しかし、その者の運勢を真っ先に考える姓名判断では、まず画数の判断を最も優先させ、その次に音、最後に意味です。なぜなら文字の意味というものは、ほとんどその者の運勢に影響しないからです。(これに関してましては後述します)

今回のコラムでは、この「名付けの優先順位」について、少し具体的に説明したいと思います。また優先すべき事柄は三つの項目それぞれの中にもありますので、それも説明していきたいと思います。まずは最も重要な字画の判断からです。

最も優先的に考慮すべき事柄 - 字画の判断

名付けにおいて最も優先的に考慮すべき事柄は字画の判断だと先に述べました。しかし、では字画判断の中で最も優先的に考慮すべきことは何なのでしょうか。姓名を構成するそれぞれの格について、優先すべき順番に見ていこうと思います。

1 - 人格 - その者の性格や性質を決定する部位

字画の判断で最も優先すべき部位は人格です。人格は人の体で表せば体幹部にあたり、その者の性格を決めるだけでなく、一生涯の運勢を左右します。ですのでまず名付けをする際には、この人格に良い数を与えてあげなければいけません。人格とは天格(性)の最後の文字と名前の最初の文字をあわせた数ですから、名前だけで判断をすることはできません。たとえば苗字が「佐藤」であれば、それにあった名前をもってくる必要があります。

2 - 三才の配置 - その者の健康運や基礎運・成功運を決定する部位

現在の姓名判断の基礎を築いた熊﨑氏は、「人格が吉数で三才が万全なら頗る幸せ」というようなことを言っています。実際その通りで、いかにすべての格に吉数を揃えようとも、この三才が悪ければ運勢は思うように伸びていかず、健康や精神面も充実しません。ところが反対に、格はすべて凶数だが三才は万全という人は、不遇の人生でも不思議と伸びていくものです。それくらい、この三才の配置というものは重要なのです。

3 - 総格 - その者の一生の運勢と晩年の運勢を決定する部位

人格と三才の配置が整ったら、今度は総格を良いものとしなければなりません。実際には名付けの際にはこのように順序立てて考えるのではなく、すべてをほぼ同時に考えるわけですが、優先順位としては3番目に総格がきます。総格は別名「後運」といい、現在では30代の後半から顕著になりますが、少なからず幼少期にも影響を与えるため必ず吉数を選びます。

4 - 前運と副運 - 運勢の両輪である前運と副運を吉数に

それから前運や副運(外格)に吉数を選ぶのですが、注意すべきは前運と地格は違うということです。前運というのは名前部分だけの文字の合計ですから、一文字名の場合、前運は名の一文字の画数になるということを覚えておいてください。たとえば「孝」という名の場合、前運は7、地格は8となります。名付けにおいては結局、すべてに吉数を配することが必要なわけです。以前どこかで誰かが、「すべてに吉数を与えると恵まれすぎるので甘えた人間になるからやめるべきだ」などというような解釈を聞いたことがありますが、そんなことはありません。甘えるとか甘えないというのは、多くはその人間の育った環境によるものですので、どのような名前にしろ甘やかされて育てられれば、甘えた人間になることは変わりません。

※以上では単純に吉数を付けるべきだと書きましたが、吉数と凶数は真っ二つに分けられるものではありません。実際にはそれぞれの数は色々な特性をもっていますので、それを考慮した上で名付けをします。吉数と凶数の問題については、別のところで述べます。

二番目に考慮すべき事柄 - 音の配置

名付けにおいて二番目に考慮すべき事は音の配置です。画数と同様、音にもそれぞれ特有の性質がありますので、この配置の仕方でその者の性格や運勢も当然変わってきます。そして驚かれるかもしれませんが、音一つ一つにも吉凶があります。また音の配置のなかにも優先すべき事柄がありますので、これを見ていきましょう。

1 - 音の並びを整える

音にも五行を割り当てることができます。まずはこれを覚えることから始めましょう。以下に音を五行別に分類してみます。(音の五行がもつそれぞれの特性や、音一つ一つがもつ意味や特性に関しては別ページで紹介します。)

・木の五行に分類される音 - カ行(ただしガなどは土に属する)

・火の五行に分類される音 - タ行 ラ行 ナ行

・土の五行に分類される音 - ア行 ワ行 ヤ行

・金の五行に分類される音 - サ行

・水の五行に分類される音 - ハ行 マ行

音の並びを考える場合は、その名前の発音そのままに考えます。たとえば「松平健」なら「まつだいらけん」です。どうしてこういうことを言うのかというと、たまに名前の音を占う姓名判断家などで、名前の音を漢字の音読みで取る場合があるからです。そのような場合、「松平健」なら「しょうへいけん」と読めてしまいますが、そうではありません。あくまでその者名前の呼び方そのままで取ります。そうでなければ正しい判断はできません。

「まつだいらけん」を五行に当てはめてみましょう。そうすると「水火火土火木-」ということになります。最後の「-」は「ん」ですので省くという意味です。画数の判断でしたら火と水がぶつかるのはよくないと判断するわけですが、音にも大体同じことがいえます。ただし、音の霊威は画数ほどに強くないため、その影響は周囲にはっきりと分かるほど顕著ではありません。それに、画数も整え音の並びも綺麗にというのは至極時間と手間がかかりますので、一般の名付けの場合は完璧を目指さなくてもよいでしょう。ただ、苗字と名前の接合部だけは相性の良いものを選んでください。

松平健さんの場合は、苗字の最後が「ら」で火、名前の最初が「け」で木の属性ですので、互いに仲が良く吉という判断ができます。反対にたとえば性と名の接合部に水と火をもってきたような場合には、短気で性急な性格を助長しますので注意が必要です。また金と木や、金と火というような組みあわせも避けると良いでしょう。名前の音はその者の性格形成に強い影響を与えます。音の並びがよければそれだけ真っ直ぐな性格となり、音の並びが悪いと短気になったりひねくれやすくなったりします。

2 - 一つ一つの性質から音を選ぶ

音にはそれぞれ固有の性質があり、それぞれに吉凶もあります。もちろん全ての音がはっきりと吉・凶に分類できるわけではありませんが、それでも悪い運勢を招く音が多ければそれだけ苦労の多い人生となります。ここでは個々の音の性質について詳しくは述べませんが、以下に幾つか例を述べます。

たとえば「あ」の音は、人の上位に立つ素養あり権威そなえ決断力に富み先見の明ありとされます。また「か」の音は、知能すぐれ財産を得る力あり名誉功名を得何事にも勝ちを制すなどの意味があります。このように、音一つ一つに特性や意味がありますので、これらを考慮して名付けをするのです。音一つ一つの特性や意味については今後他のページを設けますので、そちらを参照してください。

3 - 全体の音のバランスをみる

これはつまり、その名前に使われている全ての音のバランスをみるということです。音は単純に母音で5種類に分けることができます。日本語であれば「あ・い・う・え・お」ですが、これをそれぞれ音の強弱で分類することができます。つまり、「あ」は0、「い」は+2、「う」は-2、「え」は+1、「お」は-1というようにです。そのように分類すると、すべての音をこの5種類に分類できるようになるのですが、たとえば名前に「う」や「え」系の音が多ければ優しく、比較的おっとりとした性格になります。反対に「い」や「え」系の音が多ければ、鋭くやや攻撃的な性格を形成するのです。このようなことを意識して、名前全体の音のバランスをみるということです。

すこし芸能人を例にとって見てみましょう。たとえば女優の「さわじりえりか」さんやお笑い芸人の「いしばしたかあき」さんの場合、穏やかさを象徴する「う」や「お」系の音が一切なく、「い」や「え」系の音ばかりですので、非常に鋭い性格だと判断することが出来ます。反対に俳優の「ふくやままさはる」さんや女優の「ふかだきょうこ」さんは、それぞれ穏やかさを象徴する「う」や「お」系の音が多いため、おっとりとした優しい性格だということがわかります。ですので強く逞しい子になって欲しいと願うのであれば、前者のように鋭い音を、反対に穏やかで優しい子になって欲しいと願うのであれば、後者のような優しい音を入れるのがいいわけです。

ただし、当然性格形成には画数の影響が強く関わってきますので、名付けをする際にはそれぞれの画数と音のバランスをみることが大事だといえます。たとえば強い男の子になってほしいからと願い、強さ・逞しさを象徴する17や18、21や23のなどの数に加え、名前の音にもすべて鋭い音を配するような場合は、その者の性格は丸みが全くなくなりますので注意が必要です。これは反対も然りであって、やはりどちらかに偏り過ぎずバランスを重視するというのが大切だと私は思います。

三番目に考慮すべき事柄 - 意味付け

最後にこの「意味付け」をもってきましたが、実際姓名判断では、文字の意味は全くと言っていいほど考慮しません。なぜかと言いますと、その者の運勢には漢字や文字の意味は全くと言っていいほどあらわれないからです。これには理由があります。文字の意味は元来から定まったそれ固有のものではないからなのです。文字の意味は人それぞれによって全く別の解釈ができてしまうほど、曖昧です。つまり、文字の意味というものは人間の勝手な解釈だというわけです。たとえば「高」という文字一つを引いても、その意味は空間的に高い、身分が高い、気高く上品、はげしい、古い、尊いなど様々な意味が含まれており、これと特定することはできません。つまりこれを反対に解釈すれば、定まった意味などないということになり、意味が運勢に影響することなどまず有り得ないと考えることができるわけです。

しかしそれでも、私は意味付けを全くせず画数と音のみで名前を決めるということには反対です。なぜなら、文字の意味には良い印象のものと悪い印象のものがありますので、それならばできるだけ良い印象のもの、格好いいものを選んだほうが良いと思うからです。また、後で話しますがその者の「運勢への外的な影響」もあるからです。

1 - なってほしい性格、あるいはなりたい性格を表す意味の文字を使う

文字の意味は人間が恣意的につけたものだから、文字の意味はその者の運勢に影響しないと説明しました。しかしたとえそうであったとしても、自分があまり好きでない意味の文字は使いたくないというのが人情だと思います。普通は自分の名前というものは親などに付けてもらうため自分では選べませんが、自分の名を改名する場合や子供に名付けを行う場合はなるべくこうなりたい、あるいはこうなってほしいという意味の文字を使うと良いでしょう。たとえば器の大きな人物になりたい、なってほしいと願う場合には、「大」や「宏」という文字を使うという具合にです。それにより、その言葉の意味が性格に表れるということはほとんどありませんが、何の意味もないというよりは気持ちの持ち方も変わってきます。

2 - 悪い印象をもつ意味の文字を避ける

確かに人が聞いて嫌悪感を催す「文字の意味」というのは存在しますので、そのような文字を避けるということは基本的なことです。今は許されないと思いますが、たとえば「鬼畜」や「便太郎」といった名前を付けられれば、その者の「運勢への内的な影響」はほとんどないとしても、「運勢への外的な影響」はやはりあるわけです。「運勢への外的な影響」とは、名前そのものからの運勢への影響はないにしろ、その名前によって誰かに虐められるとか嫌悪されるといった意味です。ですので、できるだけ人が聞いた時に良い印象をもたれるような名前を付けたほうが吉運を招くというわけです。また、人が聞いて驚くような突飛な名前を付けるのも良くありません。最近ではキラキラネームというのが一部で流行っていますが、これも度が過ぎれば凶運を招くのは当然です。

終わりに - 子供の名付けで最も重要なのは親の気持ちではない

これまで名付けの優先順位について書いてきましたが、最後に一つ言っておきたいことがあります。以前他の姓名判断サイトなどを色々と見ていたときに、名付けに関して「名付けには画数をより良くするより、親のその子への愛情や気持ちが一番大切」などというようなことを言っている人がいました。この言葉に私はかなりの違和感をおぼえました。なぜならそれを言うのが姓名判断など全く知らない側の人間ではなく、姓名判断をする側の人間だったからです。その言葉の真意は、結局「自分は姓名判断というものを信じていない」というものではないでしょうか。なぜかと言えば、真に姓名判断を理解しているのであれば、画数や三才の配置を整えることの大切さを身に染みて知っているため、「名付けには画数をより良くするより、親のその子への愛情や気持ちが一番大切」などというような軽率な言葉は絶対に出てこないからです。

親が子供を育てる上で最も重要なのはその子への愛情だと思います。しかし、名付けにおいて重要なのは親の気持ちではなく、画数や音といった姓名全体のバランスです。もし親の愛情や気持ちだけで画数などを全く考慮せずに名付けをし、その子の名前が非常にバランスを欠いたものだったとしたら、たとえ親がしっかりと愛情を注いで育てたとしてもその子の不運は避けられないからです。そのことをよく考えていただき、子供の名付けをする場合は上記の優先順位で名付けを行っていただければ幸いです。