姓名判断の原理
姓名判断では五格剖象法が基本です。五格剖象法とは、姓名を天格・人格・地格・外格・総格の五格に分類して吉凶を判断する方法であり、実際には以下のような形で占います。
五格剖象法
以下、五格剖象法について解説致します。
- 天格
- 姓の文字を合計した数。天格の数理だけが直接的にはたらいて運命を導くことはありませんが、名との関係によって人格や外格を形成します。また、人格との関係において成功運をうかがうことができます。
- 人格
- 姓の最後の文字と名の最初の文字をあわせた数です。祖先より伝承される天格と、名前部である地格との中間に位置するのが人格であり、自身の性質を象徴する最も重要な部位です。人格は体にたとえると心臓などのある体幹部にあたり、この数を見ることによってその者の性格や能力、また健康運や家庭運などを知ることができます。
- 外格
- 総格から人格部を取り去った残りの数です。ただし、一字姓・一字名の場合は外格となるべき文字がないので、数の根本である一を加えます。外格は副運ともいい、人格に次ぐ影響力をもってその者の運命を左右します。人格が家の柱だとすると、外格はそれを周囲から囲む壁にたとえられます。
- 地格
- 名の文字を合計した数です。幼い頃の家庭環境や周囲との関係、さらに生まれもった性質や体質などを暗示します。ただし少年期には自己の先天運や家族の運勢にも影響されるため、地格が吉数だから幸福、あるいは凶数だから不幸だと一概にはできません。また壮年期を過ぎて地格の影響が消えるわけではなく、次第に弱まりながらもその霊威は生じつづけます。また、人格と対称して基礎運を見ることができます。
- 総格
- 姓名の文字をすべて合計した数です。別名「後運」といい、主に壮年期から晩年において強い影響力をもつ部位ですが、当人の性質にも影響を与えるため、人生の随所でその暗示力をあらわします。
- 天人地三才の配置
- 三才とは天格・人格・地格を総称した呼び名です。まず宇宙を象徴する天格があり、これは祖先伝承のものです。それからこの地球を象徴する地格があり、その間に生まれるのが人間などの生物であります。その有様を象徴したのが天・人・地三才であり、三才はつまり宇宙間の万物の有り様を象徴したものなのです。したがって姓名学においてもこの原則を適用し、天格・人格・地格を三才と定めました。ちなみに姓名学における三才の配置は、現在の姓名判断の基礎を築いた熊﨑健翁氏が考案した理論です。
四大運
四大運とは、姓名判断における4つの最も基本的な運勢のことです。以下に重要な順に記述致します。
- 主運
- 人格に象徴される運勢です。主運は一生を通じて最も強い影響力があり、人生の中心となる壮年期の運命を司るところです。
- 副運
- 外格に象徴される運勢です。主に家族や対人関係など、周囲の環境を表象する部位ですが、自身の性格にも多少なりとも影響を与えます。副運は主運を補佐する運勢です。このためもし主運に吉数があっても、この副運に凶数があればそれ相応の災いがあります。
- 前運
- 地格に象徴される運勢です。ただし一文字名の場合は、地格が霊数を加えるのに対し、前運は名の数のみで数えます。特に少年期から青年期までの運命を暗示する部位であり、先天的素質の発現する部位としても見ます。
- 総運
- 総格に象徴される運勢です。総格の霊威が前運にかわって擡頭しはじめるのは大体三十代後半からで、五十を過ぎる頃にはその影響がかなり顕著となります。したがって総格が吉数である場合は晩年相応の幸福をうけることとなります。ただし、当然その他の数や三才の配置によっても運勢は変化しますから、総運に吉数があるから晩年は安泰だと単純に考えることはできません。
三才から導き出される運勢
姓名学では五格の数が最も運勢に影響を与えると考えられていますが、実は五格の数が活きるか否かがこの三才の有り様で分かるのです。したがっていくら吉数を多くもっていても、三才の配置が悪ければその数の良さが最大限に活きません。反対に三才の配置が良いですと、数の吉面がよく活かされることになり、また凶数であっても凶意が和らぎます。
- 基礎運
- 基礎運は人格と地格との関係から見ます。いわば姓名の土台であり基礎ですから基礎運といいます。事象としては自身の境遇や環境としてきますので、この配置が悪ければ環境の不調や変調を暗示し、境遇に恵まれにくくなります。境遇に恵まれなければ精神的な苦労が多くなり、気持ちも不安定になりますから、吉数があっても最大限に生かされないのです。また基礎運が悪いと病弱傾向が出ますし、急な災難や事故に遭うおそれが強まりますので、姓名判断においては最も重大な部位と言うことができます。たとえ成功運が良くても、この基礎運が悪ければ思うように伸びていかず、一時的には成功しても、病難や災難に遭って没落してしまう可能性が高くなるのです。
- 成功運
- 成功運は天格と人格との関係から見ます。成功運は目的を達成する段階においての逆境や障害のレベルを表しており、主に人生の中盤から後半にかけてその威力をあらわします。ですからもし成功運に凶相が出ていれば、病気やトラブルなど種々の逆境によって順調な発達を抑圧される暗示があります。たとえ基礎運が良くても、成功運が悪ければ障害に伸び悩み、困難に苦心することが多くなると考えられるのです。ただし、成功運は主観的なものですので、成功運が良いからみんな成功者になるというわけではありません。姓名における成功運は弱いが、社会的に成功している人も多くいます。よく幸運な成功者と不幸な成功者がいると言われますが、三才を見ればそれがよく分かるでしょう。
- 三才から分かる健康運
- 三才の配置から健康運を知ることができます。三才の相剋関係によってその者の生命エネルギーの強さが分かりますので、概して三才の配置が万全な者は活気にあふれ、元気と勢いがあって、肉体精神共に強靱な人が多いのです。また三才の配置から、身体のどの部位に病原があらわれやすいかということも知ることができます。ただし三才の配置が吉であっても人格部に凶数がある場合は健康運やや低下しますし、先天運と姓名とのバランスが悪い場合には、三才の配置が良くても病弱となるケースがあることは知っておいてください。
五行の性質と相生・相剋関係
以下が五行とその性質です。矢印は五行の関係性をあらわしています。
ここでは五行の性質とその関係について簡単に解説します。
- 数と五行の関係
- 数の1の位が一または二の場合 = 木の属性。
数の1の位が三または四の場合 = 火の属性。
数の1の位が五または六の場合 = 土の属性。
数の1の位が七または八の場合 = 金の属性。
数の1の位が九または〇の場合 = 水の属性。
- 相生の関係
- 上記の図で隣りあう関係が相生の関係です。一般的には相手のエネルギーを強める関係として働きます。姓名判断では天・人・地互いの関係が相生の場合は吉とします。ただし、吉凶の強さや内容はそれぞれの五行の性質に依ります。
- 相剋の関係
- 上記の図で向かいあう関係が相剋の関係です。一般的には相手のエネルギーを弱める関係となります。姓名判断では天・人・地互いの関係が相剋の場合は凶とします。ただし、吉凶の強さや内容はそれぞれの五行の性質に依ります。
- 比和の関係
- 同一の五行同士の関係です。一般的には相手の働きを強める関係となります。ただし、吉凶の強さや内容はそれぞれの五行の性質に依ります。
相生・相剋関係から運勢を読む
- 三才の配置
- 人格と天格との相生・相剋関係
- 人格と地格との相生・相剋関係
- 人格と外格との相生・相剋関係
以上の関係から、姓名エネルギーの流れや強弱が分かりますので、その人の性質や運勢も自ずと分かってくるのです。これに各々の数の特性を加えて見ることにより、さらに詳しく運勢を知ることができます。
姓名から性格を知る
姓名判断においては、人格がその人の生命エネルギーや性質を象徴する部位ですので、人格の数や三才の配置から性格を知ることができます。
性格を知る手がかりの主なものは以下です。
- 人格の数と五行
- 人格と天格との関係
- 人格と地格との関係
- 人格と外格との関係
- 人格以外の数と五行
以上ありますので、性質を読むのに人格の数ばかりに気を取られてしまうと、往々にして性格を読み間違うことになります。要は人格以外の格も性格に影響を与えるのですから、三才や人格・外格関係も加味しながら性格を読んでいく必要があるのです。ただし、人格はその人の本質的な性格を象徴します。
また、先天運と姓名の関係も性格に影響を及ぼしますが、それを見るためには四柱推命の知識が必要ですし、簡単に述べると誤解を招くことにもなりかねませんので、ここでは割愛します。