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「姓名判断は何の根拠もない!」という根拠のない話について~占いは科学そのもの?【姓名判断迷信シリーズ3】

巷でよく言われていることに「占いは何の根拠もないものだから、信じるだけムダ!」のようなものがあります。一見すると正しいことのように感じる方もいるとは思いますが、よくよく考えてみるとそんな意見こそが何の根拠のない話だということが分かります。

これは自己矛盾というもので、例えば「お前批判はするな!」と言う人が批判をしている自分には気付いていないようなもので、「占いには根拠なし!」という人も自分の話に根拠がないことは棚に上げているのですね。

それでは、占いは何の根拠もないのか?というと全くそんなことはないのです。今回は姓名判断と四柱推命に絞って解説をしていきますが、これらは数千年も前から築き上げてきた確固たる理論に裏付けられた占いなのです。

そもそも「根拠」とはなにか?姓名判断は統計学ではないという事実

まずはじめに、「根拠とは何か?」について確認しておきましょう。【根拠】とは、概してその物事や概念が成立した理由、または拠り所となるもののことです。したがって、姓名判断や種々の占いにも、その深浅は様々でありながらも、成立の背景となる根拠があるのは当然です。

ところで、よく聞く話に『姓名判断は統計学だから...』なんていうものがあります。しかし、姓名判断(その他の占いも)は統計学ではありません。統計学とは、様々なデータを集めてその傾向や平均、または規則性を見いだすことです。姓名判断であれば、膨大な人の姓名と経歴データを集めて、そのデータをもとに姓名構造における規則性を探すということになるでしょうか。

なおウィキペディアには、統計学について以下のように書いてあります。

統計学(とうけいがく、英: statistics)とは、統計に関する研究を行う学問である。経験的に得られたバラツキのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす。統計的手法は、実験計画、データの要約や解釈を行う上での根拠を提供するため、幅広い分野で応用されている

引用【ウィキペディア:統計学】

しかし姓名判断においては、そのような統計学的な作業に基づいて理論を構築した、というような歴史は一切ありません。もちろん、これまでの歴史においてその理論が当たっているか否かの検証は繰り返されてはきましたが、それは統計学というものでは全くないのです。現代の姓名判断の基礎を築いた熊﨑健旺氏も、著書で以下のように熱く語っています。

世の中の人々は、一体この学問は如何なる統計から出来たものであるかと、質問するのが常例でありますが、姓名学は統計から出来た学問でないと答えると、それでは科学ではないではないかと、直ちに非科学にしてしまう癖がある。勿論近代科学は大体統計を重んずる例であり、私も科学尊重の思想から、一般の統計を無視する者ではないが、姓名学に対してだけは、根本的にその観点が違うのである。(引用:神秘姓名学決定編より)

ちなみに熊﨑氏は、もともと記者として姓名判断等の占いは非科学的だ!といって批判をする側の人間だったのですが、批判しているうちに言い訳に窮し、その後の勉強過程から姓名判断にも理(根拠)があることが分かり、ついには姓名判断家として名を成すことになったようです。

それでは、一体姓名判断にはどのような根拠があるのか?このことについて順に説明していきたいと思います。

四柱推命は科学そのもの

まず、姓名判断よりもかなり早くに成立した、四柱推命の歴史を簡単に見ていきましょう。

四柱推命の成立についてはよく知らないという方も多いかもしれませんが、実は太陽の動きを観察することが始まりでした。実際には、太陽が毎日昇る度に十種の干を用いて数えたり、地上に高い棒を立て、その陰が位置する場所に印を付け、太陽が巡る法則・周期を観察するということがそもそもの始まりだと言われています。

そしてその時に記録として用いたのが十干・十二支であり、皆さんもご存知の干支(えと・かんし)なのです。ちなみに十干・十二支は、それ以前から存在していた陰陽五行理論から生まれたものです。十干とは、五行(木・火・土・金・水)に陰陽を付加したもので、それ故に十種の干があります。

なお、初めに作られたのは十干で、その後十二支が誕生してこれらを組み合わせるようになるのですが(六十干支)、これは古代の遺物によっても確認されており、今も私たちが使用している干支歴の始まりとなるものです。

つまり四柱推命は、太陽と地球の相関関係を観察する「自然科学(自然を対象とする科学の一分野であり、通常科学といえばこの自然科学を指す)」から始まったのです。

その後、一日を記録していた「干支」を月周期や年周期にも適用できることが分かり、年・月・日・時の四つの干支で構成される「四柱推命」が誕生しました。四柱推命とは、地球と太陽の相関関係におけるその時点での五行エネルギーを四柱・八字として端的に図示したものであり、これがその人の先天運と呼ばれるものです。

すなわち四柱推命とは科学そのものであって、科学的根拠どうこうの話ではないのです。

なお四柱推命の大家である武田考玄氏は、占いという言葉を使わず(嫌っていたと思います)、四柱推命は科学的な学問であると定義しており、その成立のために生涯を捧げた人であります。また武田考玄氏は、四柱推命は天文学と非常に密接な関係にあることを示唆しています。

四柱推命の詳しい情報は、【四柱推命旺】で解説していますので、興味のある方はこちらをご訪問ください。

姓名判断の理論的根拠は陰陽五行思想にあり、その公理はエネルギー理論である

それでは、「姓名判断の理論的根拠は何か?」ということについて、簡単にお話していきたいと思います。1000年以上の歴史がある四柱推命に比べて、姓名判断は長くみても数百年程度と短いのですが、実は姓名判断は四柱推命の基礎となる陰陽五行理論を踏襲しているため、それを踏まえれば長い歴史があるとも言えます。

まず日本における姓名判断の起こりですが、これは江戸時代頃と言われています。その後明治に入り、日本でも本格的な戸籍制度が開始し(明治5年)、姓名を名乗ることが義務づけられて以来、姓名判断は次第に人気を得ていき、明治時代後期には姓名判断の人気が爆発したと言われています。

姓名判断の日本における発展は、先ほども触れた陰陽五行思想が深く関わっています(ただし後でも解説するように、陰陽五行理論を無視した、根拠のない占い手法も存在します)。

姓名判断は、姓名を五格(天格・人格・地格・外格・総格)に分類して判断するものですが、それぞれの数を五行に変換し、その五行同士の相関関係によって吉凶を導き出したり、また文字の画数に陰陽を付してその配置で吉凶を判断したり(陰陽配置占い:後述)、といった手法は皆さんもご存知でしょう。

また、数の吉凶についての成立背景は未だ不明ですが、これも易経(易占いとも言う。古代中国で陰陽思想などを背景に生まれ、六十四卦から吉凶を占う)を元に導き出されたという説が有力だと私は考えています。

なお現在の姓名判断の基礎を築いたのは、明治時代後半頃から活躍した熊﨑健旺(くまざき けんおう)という方で、実はこの人が五格の法則を生み出しました。それまでの姓名判断では、単純に姓(天格)・名(地格)のみ、あるいは姓・名・総格の三部位で吉凶を判断したり、または名前を構成する文字の音(音読み)に五行を付し、その配置で吉凶を占うという方法が主流だったのです。

ちなみに熊﨑氏が登場する以前の姓名判断においても、中国を起源とする陰陽五行思想がその理論的な背景となっていました。ただ当時の日本には、中国由来の陰陽五行思想や三才思想、また四柱推命の知識も伝わってきてはいたようですが、正確な知識をもつ者が少なかったせいか、独自の解釈によるところが大きかったようです。

なお姓名判断の公理としては、四柱推命と同じく「エネルギー理論」だと言うことができます。少し小難しい話なので、以下に武田光玄氏の文章を引用したいと思います。

皆さんは、「エネルギー不滅(保存)の法則」という物理学の法則をよくご存知のことと思います。命理学の公理は、太陽と地球の間にあって、地球上で誕生したその人の生命エネルギーが、時間の経過の中で、どのようなエネルギーの保存・移行・転換を行うかを熟知し、さらに良い方向へと変化・転換させていくか、の方法を知ることである、とも言えるのです。ですから公理の真の意味は、「エネルギー理論」として理解すべきなのです。

武田先生は自著(四柱推命学入門)でこのように仰っていますが、姓名判断も実は全く同じで、人格を生命の中心核とした、エネルギー理論として理解すべきものなのです。

占いに根拠がないと主張するのなら、最低でも関連書籍10冊は読んでから判断すべし!

占いには根拠なし!と否定する人は、概してその占いについての知識が全然ないという特徴があります。なぜそう言えるのかというと、人は知らないことに対しては偏見を持ちやすいからなんですね。つまり、誰でもその分野に対する充分な知識がないと、ネガティブな情報や意見を鵜呑みにしやすいということです。

私は何でもそうなのですが、興味をもった分野の本を徹底的に読みあさる癖があります。するとはじめは偏見をもっていても、次第にその分野への深い理解が得られることになり、またその分野に対する知識と根拠を知ることにもなるのです。

皆さんもご存じのように、それこそ占いには非常に多くの種類があります。四柱推命・占星術・タロット占い・風水・姓名判断・手相・顔相などなどですが、それら全ての占いを一括りにして、根拠なしとしてしまうこと自体、極めて浅薄な意見だと思うのです。

もしその占いに根拠がないことを主張するのであれば、最低でも関連書籍10冊程度を読まなければ判断はできないでしょう。特に四柱推命などは非常に奥が深いため、10冊程度では全然足りないとは思いますが、それでもその分野の奥深さや根拠のある無しを判断出来るくらいの知識を得ることにはなるのです。

またそれぞれの占いの中でも様々な理論や手法がありますので、本当に根拠なし!ということを示したいのであれば、個々の占い・手法をすべて精査し、それこそその根拠を挙げた上で「根拠なし!」と言い張るのが当然だと考えています。

見るべきは「理論的根拠」~根拠のない占いも存在する?

ただし、一概に根拠とは言っても様々な深浅があります。たとえば姓名判断は陰陽五行思想を背景に成立してきたことを述べましたが、そもそも陰陽五行理論に則っていない占い手法も多く、そのような占術に対して私はよく「理論的根拠なし!」と言っています。

たとえば、姓名判断における文字の陰陽配置というものがその最たるものです。これは、名前を「青(8:○)山(3:●)昂(8:○)史(5:●)」のように文字画数に対して陰陽を配置し、その配置如何で吉凶を占う(概して、陰陽が順に繰り返すのは吉とされる)というものなのですが、理論的根拠は全くありません。

どういうことかと言うと、そもそも陰陽五行思想のほうで「陰陽の配置の仕方で吉凶が決まる」などとは全く言ってないからなのです。また、「陰陽が順に繰り返すと吉」などと言う理論も一切ありません(私は聞いたことがありません)。したがってこの白黒占いの理論的根拠は非常に乏しいのですが、未だに信じている人が大勢いますし、むしろこれこそが最も重要な要素だと言わんばかりの占い師もいたりします。

この陰陽配置占いは、実は明治時代の姓名判断から既にありましたが、その理論的根拠を示す文書を私は一度も見たことがありません。大体古い姓名判断の書物を読むと、この陰陽配置が文字数毎に沢山列挙されているのですが、なぜ?という部分の解説はないのです。そのため、熊﨑健旺氏はこの陰陽配置占いを完全に否定していました。

したがって、その占いの真価を見極める上で重要なのは、しっかりとした「理論的根拠」があるかどうかという点だと思います。これは姓名判断でも四柱推命でも占星術でも同じですが、要は先人達が長い時間を掛けて築き上げてきた確固たる理論に基づいて判断されているか否かということが、その占いの「根拠」を判断する上での指針になると私は考えています。