家族間で同じ漢字を名前にもつと悪運を背負うという嘘【姓名判断迷信シリーズ7】
今回も度々ご質問のある内容を記事にしてみました。ご依頼者様より、『命名の際、家族間で同じ漢字を使うと不幸があると聞いたのですがこれについてはどうでしょうか?』のようなご質問があり、これにお答えするものです。
早速結果から申し上げますと、『家族間で同じ漢字を使用して』も運勢上は全く問題ありません。以下にその理由について述べたいと思います。
家族間で同じ漢字を名前に使用しても運気に影響しないということ
まず、なぜ一部の姓名判断や占い師は、家族間で同じ漢字を用いることを避けるべきだと言っているのでしょうか?この点を私が調べた範囲で以下に確認しておきます。
- 親の悪運を背負うことになるから
- 親(の能力・地位・運勢等)を越えられなくなるから
- 親の押しつけとなり、独立心が芽生えにくくなるから
それでは以下に、これら全てに反論していきたいと思います。
名前の文字一つで親の悪運を背負うことはない
1つめの『親の悪運を背負うことになるから』というのはつまり、親の名の文字を引き継ぐことによって、親の悪運(運勢)まで引き継ぐからダメということを暗に言っているのですが、姓名はそれ自体が固有のものですので、親の運をそのまま引き継ぐということはないのです。
もちろん悪運だけを引き継ぐというようなこともありません。あるとすればそれは先祖運の問題になってきます。
その人の姓名は当然、その人に固有のものです。私であれば『青山昂史』ですが、仮に同姓同名の『青山昂史』という人が親族にいたとして、それで私がその人の運の影響を受けるでしょうか?答えはNOです。非常にバカバカしいくらい単純な話ですが、親の運は親自身に属し、その子の運はその子自身に属しますので、名の文字で悪運を背負うなどということは全くないのです。
これは先天運においても同様です。稀に『親の先天運の影響を受けて運が悪くなっている』というようなことを言う占い師がいるのですが、先天運もそれぞれの人に固有のものですので、親の運の影響を直接的に受ける道理はないのです(もちろん関節的には影響します)。
ただし、親の姓名(構成数)と全く配置が同じ場合は、親と同一の運勢(姓名由来)となります。
親と子の運勢は全く別のものなので、親を越えることもあり得る
この答えも自ずと同じものになりますが、やはり人はそれぞれ固有の運勢を与えられている以上、名の文字一つが同じというだけで親を越えられないとか越えるとか問うこと自体がナンセンスです。もし親と同姓同名であれば姓名そのものの位相は同一となるため、あとは先天運ないし努力次第でその差があらわれてくるというだけです。
このため、当然親を越えないことも、また親を越えることもあるでしょう。この時、親を越えるということが何を差しているのかは曖昧ですが、能力・学歴・社会的地位・財・寿命そのいずれにおいても当てはまります。
親の押しつけであろうが何だろうが運気に影響するものは姓名構造
親の押しつけでもって独立心が芽生えにくくなるというのは、それは名付けではなくて親の教育の問題になりますので、全く別の次元の話です。
しかし、やはり親の名前と同じ漢字を与えられても、その構造が良ければ姓名位相は高く、気質も壮健・行動的・決断力に富み・独立心旺盛となりますので、これは全く間違った指摘であるということが言えるのです。
どこからどこまでが家族間ですか?
さきほど極端な例を出し、私と同姓同名の人が親族にいても私はその人の運気の影響を受けないということを言いましたが、それでは家族間とはどこからどこまでを差しているのでしょうか?
父母と子の関係のみなのか?兄弟間もダメなのか?祖父母と子の関係もダメなのか?あるいはいとこは?もっと遠い親類は?など、定義がされていません。もちろん色々な流派と主張があるとは思いますが、その具体的な理由・根拠が示されていない場合は疑うことが当然です。
そしてもし、かなり遠い親族でもダメだ!悪影響を受けてしまう!ということであれば、いつも一緒にいる友達はどうでしょうか?なぜ家族だとダメで、友達ならいいのでしょうか?疑問は尽きません。
そしてもし、その親が離婚したとしたら、その親の悪影響はなくなるのでしょうか?別居したらどうなるでしょうか?もし位置的に近い場所にいる人の影響を受けてしまうのだとしたら、クラスで同じ文字をもつ子の悪影響を受けてしまうのでしょうか?もし受けるのだとしたら、それはおそらく単に意識の問題です。
さらに、なぜ悪影響だけを受けるのかも疑問です。影響を受けるということは、良い影響・悪い影響両面あるはずですが、なぜか『悪い』というところが強調されております。その理屈で言えば、もし親が大成功者だったとしたら、子の名前に親の名前の一文字を付ければ、むしろ良い影響があるのではないでしょうか?
同格同数占いの延長であるということ
もう気付いている方もおられると思いますが、これは同格同数占いの延長であるということです。同数忌説は明治頃に最初に言われ、『天の数(姓の最初の文字画数)と名頭の数』が同数だと衝突・事故などの災いを受けるという迷信で、すなわち『同じだとダメ!』つながりの俗説なのです。
この同数が悪運を招くという説自体が既にメチャクチャなのですが、どういうわけかこれまでも生き残り、現代になって『同じ文字を使ってはいけない!』というところまで延長されてきたということなのです(過去にも存在していたのかもしれませんが、私は明治・大正時代の書物に同じ文字がダメだという記述は見たことがありません)。
親の悪運を見てその名前を避けるのは良いこと
ただし、もし親がひどく運の悪い人だとして、その名前を命名で避けるのは良いと思います。なぜなら、ひどく運が悪いということは、その姓名構造自体が悪く、悪運を引き寄せている可能性が非常に高いからです。(運が極端に悪い人というのは、概して生命力が弱いため精神力貧弱で行動力が弱く愚鈍で病弱な傾向がありますので誰でも明瞭に分かります。)
私の知り合いの親族の中でも、昔その家が没落する発端となった人と同じ名前を付け(同姓同名)、当人も運悪く早世してしまったという例を知っているのですが、姓名構造を見るとやはり悪運の強いものでした。
そのため、もし明らかに自分の運(あるいは家族・親族の誰か)が悪いという人は、その姓名構造をよく調べ、子の名前はその人と同じ構成にしないように注意するというのは良いことだと思います。姓名は真に生命だからです。
ただし、厳密には先天運との関係も大いに影響してくるため、ちょっと見ただけでは全く分からないこともあるでしょう。また、先天運の様相によっては、その悪そうな名前がむしろその子にとっては良いということも稀にありますので、やはり重要な命名においては先天運を一度鑑定されることをおすすめ致します。